9月、季節の変わり目を迎えて、からだに疲れが溜まっていませんか?暑い夏を乗り越えたことによる疲れや、まだまだ続く厳しい残暑によって胃腸が弱ってしまい、消化・吸収力が低下しやすいこの時期。高齢者にとってはなおのこと調子を崩しやすく、胃もたれや食欲不振などを感じる方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときは喉の通りがよく食べやすい食事がおすすめです。いつもの献立に身近な食材をプラスしたり、調理の工夫をしてみましょう。
消化・吸収力の低下は、どんな時に起こるの?
私たちは、食べものを胃・小腸・大腸で消化・分解することで、必要な栄養素をからだに吸収します。胃腸が弱ってしまうと、食べものの消化・分解に必要な分泌液などが減少して吸収力が低下してしまいます。
例えば、厳しい暑さによる夏バテのほか、冷たいものを食べすぎてしまったとき、油っこい食事を摂りすぎたとき、また、夜遅い食事が続いてしまったときなどは、胃が活発に働かなかったり、負担がかかってしまったりすることがあります。
さらに、高齢になると胃液の分泌量が低下しやすく、うまく消化できずに食べものが胃にとどまってしまうことがあるため、胃もたれや食欲不振につながりやすくなります。
「食材をプラス」&「調理の工夫」で栄養不足を補おう
高齢者の食事量が減少すると低栄養状態になりやすく、同時に筋力・体力・抵抗力の低下につながります。食欲が進まない状況であっても食材をプラスしたり、調理を工夫したりして食べやすくすることで、全体の栄養量を減らさない方法をお伝えしたいと思います。
喉の通りのよい食材を使用する
●豆腐や卵豆腐、トマトや冬瓜などを活用する。
【point】冷やっこにちりめんじゃこや蒸し鶏などをトッピングするとさらに栄養を補うことができます。
●季節の野菜をミキサーにかけて、あっさりポタージュに。
【point】ポタージュに牛乳を加えると、濃厚なスープを味わうことができたんぱく質、カルシウムを補給できます。
参考レシピ:「冷製ポテトスープ」
うま味成分が豊富な「だし汁」を活用する
●アミノ酸やグルタミン酸を多く含み、消化酵素を含む唾液の分泌、胃液の分泌を促す「だし汁」を活用する。
【point】酢の物、市販のソースなどは少量の「だし汁」を加えてまろやかに。
高エネルギー食材を加える
●高カロリー食品であり、加熱すると香ばしさがでて食欲を刺激するバターなど油脂を活用する。
【point】洋風が苦手な方の場合は「ポン酢しょうゆ+バター」「しょう油+バター」など、和風料理に隠し味としてバターをプラスしてみましょう。
消化・吸収力をサポートする調理法を活用
●水分を多く含むことで消化・吸収力をサポートしてくれる煮物や蒸し物を活用する。
■まとめ
消化・吸収力が低下し、胃もたれや食欲不振を感じたら、栄養が不足しないように注意しましょう。食事の分量を増やすことも大切ですが、食材や調理方法を工夫することで、食事量が少なくても弱ったからだの機能を補ってくれる食事づくりが可能となります。「からだの声」に耳を傾け、健やかな毎日を過ごしましょう。
■消化吸収力が低下した時にも、胃腸にやさしい蒸し料理がおすすめです!
【空也蒸し(くうやむし)】