介護の食事の困りごと『とろみがうまくつけられない』

加齢に伴って食べ物を飲み込む筋肉が衰退することで嚥下機能が低下します。その結果、食べているとむせたり、固形物を噛んで飲み込みづらくなったりします。飲み込みにくくなった方の飲み物や食事にはとろみをつけることが必要です。市販のとろみ調整食品は手軽に使えますが、使う量や作り方を誤ると誤嚥を誘発する恐れもあります。今回は、「介護の食事の困りごとアンケート」にお寄せいただいたお困りごとの中から、「飲み物や食べ物にうまくとろみがつけられない」というお困りごとの解決のヒントをご紹介します。

とろみ調整食品とは?

とろみ調整食品とは粘度の低い飲み物や食物に加えて混ぜるだけで、適度なとろみをつけることができる食品です。とろみのない液体や食物はむせることがあるため、その状態を緩和するために使います。

とろみ調整食品には様々な種類があり、商品によって使用方法が異なります。そのため、今回は、森永乳業グループ病態栄養部門 株式会社クリニコ「つるりんこQuickly」の使い方を一例として挙げ、具体的なとろみのつけ方をご紹介します。その他のとろみ調整食品にも共通することがありますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

とろみ調整用食品 つるりんこQuickly(株式会社クリニコ)の特長

「つるりんこQuickly」は、日本で初めて特別用途食品えん下困難者用食品とろみ調整用食品の表示許可を受けた製品です。えん下を容易にし、誤えんを防ぐことを目的に、お茶や水、食品にとろみをつけるためのとろみ調整用食品で、えん下困難者が水分や栄養を摂取する際の使用に適しています。

お茶や水などに加えてかき混ぜるだけでサッと溶けて素早くとろみをつけられます。温かいお茶や冷たいオレンジジュースなど、温かくても冷たくても、飲み物を濁らせずにおいそさそのままでとろみをつけられます。

基本的なとろみのつけ方

水・お茶の場合のとろみのつけ方をご紹介します。

1.とろみをつける食品に、つるりんこQuicklyを入れる

2.すぐに15秒ほどかき混ぜる

3.2分ほどそのままにして、できあがり(水・お茶の場合)

※とろみ状態を確認してからお召し上がりください

とろみの強さの基準

とろみ調整食品は、使用量を調整することで、飲み物や食べ物に合わせてお好みのとろみに調整できます。今回は、とろみの強さの基準として、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「学会分類2021(とろみ)」を一部改変した、各段階における添加量の目安をご紹介させていただきます。(出典:『日本摂食嚥下リハ会誌25(2):135–149, 2021』 または 日本摂食嚥下リハ学会HPホームページ: https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2021-manual.pdf 『嚥下調整食学会分類2021』 を必ずご参照ください。)

【水・お茶(20℃) 100mlあたり】

とろみの強さ:段階1 薄いとろみ
スプーンを傾けると、すっと流れ落ちる
水・お茶(20℃)100mlあたりの使用量の目安 1.0g

とろみの強さ:段階2 中間のとろみ
スプーンを傾けると、とろとろと流れる
水・お茶(20℃)100mlあたりの使用量の目安 2.0g

とろみの強さ:段階3 濃いとろみ
スプーンを傾けても、形状がある程度保たれ、流れにくい
水・お茶(20℃)100mlあたりの使用量の目安 3.0g

小さじ(5ml)1杯=約1.7g、大さじ(15ml)1杯=約5.0g

「つるりんこQuickly」スティックを使用する場合

水・お茶以外の食品については、森永乳業グループ病態栄養部門 株式会社クリニコのホームページでご紹介されています。もし、使用量で迷われたらぜひご覧ください。

出典:株式会社クリニコ https://www.clinico.co.jp/products/series/adjustment/quickly.html

とろみつき時間は食品の種類・温度によって違う

とろみをつける食品の種類・温度によって、とろみの強さやとろみが安定するまでの時間が異なりますので、使用量を調節してください。特にオレンジジュースなどの酸性飲料、牛乳や流動食、塩分が高い食品はとろみがつきにくい場合があります。食べる前に必ずとろみの状態を確認しましょう。

とろみのつきが遅い食品にとろみをつけるコツ(2度混ぜ)

一度とろみをつけてから約5分後に再度よくかき混ぜます(2度混ぜ)

2度混ぜをすると、とろみのつきが遅い牛乳、オレンジジュースなどの酸性飲料のとろみのつきを早め、さらに流動食はとろみのつきがよくなります。※牛乳・流動食には「つるりんこ 牛乳・流動食用」がおすすめです。

一度とろみをつけてからも、とろみの程度を調整できる

一度とろみをつけてから、とろみを弱くしたい・強くしたい等、調整したい時もあります。そんな時に気をつけたい使用上のポイントをご紹介します。「つるりんこQuickly」以外のとろみ調整食品にも共通しますよ。

とろみを弱くする場合

同じ飲み物を加えてかき混ぜます。

とろみを強くする場合

とろみを強くつけた同じ飲み物を加えてかき混ぜます。

※とろみを強くする場合、一度とろみをつけた食品に再度とろみ調整食品を加えると、ダマが生じることがあります。ダマになった塊やとろみを強くつけすぎたもの、または粉末をそのまま食べるとのどに詰まる恐れがありますので、絶対に食べないでください。

まとめ

今回は、介護の食事に関する困りごとのアンケートに寄せられた「飲み物や食べ物にうまくとろみがつけられない」というお困りごと解決のヒントとして、とろみ調整用食品「つるりんこQuickly」の使い方を例に、基本的なとろみのつけ方をご紹介しました。

とろみをつけることに不慣れな私が実際に「つるりんこQuickly」を使ってみて感じたことは二つありました。

まず、ダマのないきれいなとろみをつけるためには、つるりんこQuicklyを入れてからなるべく早くかき混ぜることが重要だということ。私は何度か試行錯誤した結果、かき混ぜながらつるりんこQuicklyを入れると失敗がありませんでした。

次に、つけたいとろみにするためには、強いとろみを作ってから、同じ液体を追加して調整する方法がやりやすいということ。とろみつき時間は食品の種類・温度によって異なりますし、時間が経過すると変化するので、とろみの程度が安定したとろみの濃いものを薄める方が調整しやすいと感じました。

ひとりひとりの飲み込む力によって、適切なとろみの強さは異なります。適切なとろみの強さについては、かかりつけ医や管理栄養士の先生方にご相談ください。

記事監修:森永乳業グループ病態栄養部門 株式会社クリニコ

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