あの人が10年以上愛用した名品ストーリー【第1回 浜田きよ子さん】

皆さまは、10年以上使い続けているものはありますか?使い切っても、また自然と選んでしまう物。年月を重ねるごとに、むしろ愛着が深まっていく物。

10年間続いてきたLive+Doは、多くの方との出会いと積み重ねてきた時間によって育まれてきました。その中で私たちは、「長く大切にされてきたものには、必ず理由がある」と感じるようになりました。

そこでスタートしたのがこの企画、「あの人が10年以上愛用した名品ストーリー」です。

これまでLive+Doにご登場いただいた専門家の方々や、活動を支えてくださった皆さまに、ご自身が長年愛用してきた“名品”と、その背景にあるエピソードを語っていただきます。

今回、語っていただくのは、浜田 きよ子さんです。

第1回 紹介者 浜田きよ子さん


排泄用具の情報館「むつき庵」所長。
排泄ケアのスペシャリストを養成する「おむつフィッター」研修※を主宰。
※排泄ケアのスペシャリストを養成する研修で、現在3級修了生はおよそ11,000人
『おむつトラブル110番』(メディカ出版)をはじめ、著書も多数執筆されています。
これまで数多くの排泄ケアに関する相談を受け、特別養護老人ホームでの事例検討を20年以上重ねてこられました。

現場に寄り添い続け、実践から生まれた知見を社会に伝えてきた浜田きよ子さん。

そんな浜田きよ子さんが10年以上使い続けている名品とは――。

10年以上使い続けている名品「黒漆仕上げの大皿」


確か2000年頃、大分県にある町の福祉講演会に招かれて行きました。高齢者の暮らしについての話をしたかと思います。帰りは最寄りの駅まで担当者が送ってくださいました。

その折にお土産ですと言われて、大きな木製のお皿を頂きました。丈夫な紙袋に入った大皿は想像以上に重くて持って帰るのが大変でした。数日後、使おうと思ってお皿を拭いていたら、裏に3万5千円と値札があってビックリ!

それから何度かその町に招かれました。その折にはあの大皿を作成した方の工房にも寄るようになり、頂いた講演料はその方の木工品を購入する資金となりました。

何点も購入することになった木工食器ですが、黒漆の大皿は何を盛っても総菜を引き立ててくれます。しかも長く使えます。
 
仕事場の玄関にある「むつき庵」という看板はその方に依頼したモノです。
 
 
 

「10年愛され続けるということ ~編集後記~」

今回、浜田きよ子さんにご紹介いただいた黒漆仕上げの大皿は、木のぬくもりを感じさせながらも、どこか凛とした佇まい。

使い込まれた表面には、長い時間が静かに刻まれ、暮らしのそばで役目を果たしてきた道具であることが伝わってきます。この大皿は、浜田きよ子さんの日々の食卓に彩りを添えてきた存在なのだろうなと感じました。

また、この黒漆の大皿が、これまで何度も足を運んできた「むつき庵」の玄関に掲げられた看板とご縁のある品だと知り、思いがけないつながりに、どこか嬉しく、あたたかい気持ちになりました。

玄関の看板のデザインは「おむつフィッター」のTシャツにも使われています

むつき庵の玄関で、人と場所の出会いを見守ってきた看板と、日々の食卓で使われてきた大皿が、同じ背景をもっていると知ったとき、これまで見ていた風景が少し違って見えるような気がしました。次に訪問する際には、きっと玄関の看板に自然と目が向いてしまいそうです。
 
時間とともに変わりゆく暮らしの中でも、変わらず使われ続けてきた物、なぜか手放せない物には、その人自身の歴史が静かに刻まれています。

Live+Doが10年という節目を迎えた今だからこそお届けしたい、本物の「名品」ストーリー。

次回は、どんなエピソードと名品が登場するのでしょうか。どうぞお楽しみに。

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写真提供:浜田きよ子さん
「むつき庵」「おむつフィッター」は株式会社はいせつ総合研究所の登録商標です。