覚えておきたい「災害時の口腔健康管理術」

予期しない災害が発生した際、被災者は避難所などでの生活を余儀なくされることがあります。また、自宅においても水、電気などのライフラインが断絶することが予想されます。水の配給が少なく、配給される食料も水分の少ないものが多いため、通常の食事で期待されるような口腔の自浄性が発揮されません。その結果、口腔の衛生状態が急速に悪化し、歯肉炎や歯周病がひどくなったり、口内炎や舌痛症などを発症したりすることがあります。特に高齢者や要介護者では、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の発症を招く危険性があります。そのような状況下で口腔を清潔に保つにはどうしたらよいのでしょうか?四国歯科衛生士学院専門学校の船奥律子先生に「災害時の口腔健康管理」についてお聞きしました。

災害で水が出ないとき、お口のケアはどうすればいいの?

災害で水の調達がままならない状況にあるとき、大切な水はまず「飲むこと」に使われます。そのような状況下で、口の中を清潔に保つためには、水を使わずに口腔ケアができる「口腔清拭シート」や「マウスウォッシュ」がオススメです。

口腔清拭シートってどんなもの?効果的な使い方は?

    口腔清拭シートとは

口の中を拭くことによって、口腔内の食べかすなどを除去するためのシートです。また、舌の汚れの清拭もできます。

口腔清拭シートの一つに、雪印ビーンスターク株式会社の「リフレケアW」があります。

「リフレケアW」は、清涼成分のキシリトールとライムの風味でスッキリした使用感を与え、口臭を和らげます。シートがメッシュになっているので、汚れをしっかりキャッチします。「大きめや厚めのシートは、お口の中で動かしづらく、ケアがやりにくい。」という介護従事者の声を活かし、指に巻きやすい小さめサイズを採用。これにより、口腔内の清拭・マッサージがやりやすくなりました。

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    効果的な使い方

シートを指に巻いたり、折りたたんだりして、お口の汚れを拭き取ってください。

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マウスウォッシュって?効果的な使用方法は?

    マウスウォッシュとは

現在、マウスウォッシュは、様々なものが販売されています。マウスウォッシュには、「洗口液」と呼ばれるものと「液体歯磨き」と呼ばれるものがあります。

<洗口液とは?>

口臭の防止やお口の中の浄化が期待できます。20~30秒間ブクブクうがいをするだけです。歯磨きをした後の仕上げとして使用してもよいでしょう。

<液体歯磨きとは?>

液体歯磨きは、歯磨きの際に一般的に使われる「(練り)歯磨き粉」に配合されている研磨剤が含まれていませんので、歯面を傷つけることなくブラッシングすることができます。お口に含んで20~30秒間ブクブクうがいをした後、ブラッシングを行い、水でお口をすすぎます。

水がない場合の効果的な使い方

  1. マウスウォッシュ約10mlをコップに注ぎ、歯ブラシを浸します。
  2. 歯ブラシで歯みがきした後、コップに注いだマウスウォッシュでブクブクうがいします。

※使用後の歯ブラシはきれいな水で洗うのがベストですが、緊急時にはウェットタオルなどで拭き取るとよいでしょう。

入れ歯をお使いの方へ

避難所の集団生活では、人前で入れ歯を外すことに気が引けたり、余震の不安で夜間も外すタイミングがなかったりということがあります。また、入れ歯を外した後の保管に困ることもあります。入れ歯をお使いの方は、以下のことにご注意ください。

  • 就寝時は外し、義歯洗浄剤か水中で保管するのが望ましいです。しかし、非常時はその限りではありません。
  • 義歯洗浄剤か水中で保管できない場合、口腔清拭シートまたは湿らしたガーゼやティッシュペーパーに包んで保管するのもよいでしょう。紛失にはくれぐれもご注意ください。
  • 食後は必ず洗ってください。十分な水が確保できない場合は、口腔清拭シートまたは湿らしたガーゼやティッシュペーパーで汚れを拭き取ってください。
  • 痛みがある場合には無理に使わず、入れ歯を外してください。
  • こまめに水分を補給して、口内の保湿を心がけてください。

その歯ブラシで大丈夫?数日たって水が使えるようになっても注意が必要!

「やっと水が使えるようになって、歯みがき再開!」というときもちょっと待って。その歯ブラシで大丈夫でしょうか?数日歯を磨いていないと歯肉炎を起こしていることが多いため、普通の歯ブラシでは歯茎に痛みを感じることがあります。そんな時には、歯茎を傷つけないやわらかい歯ブラシがおすすめです。痛くない歯ブラシで、歯茎を傷めずにお口の汚れを取りながら、お口の中をやさしくマッサージするように磨きます。唾液の分泌を促すので、乾燥した汚れも取れやすくなります。また、舌についた苔を取ることも重要です。舌ブラシを使うと舌の根元までキレイに保つことができます。 また、舌ブラシでストレッチを行うと、舌の動きや感覚の低下を防ぐことができます。ストレッチする場合は、弱めの力でゆっくりと行うことがポイントですよ。

歯ブラシの効果的な使い方

舌ブラシの効果的な使い方

口腔内の乾燥が激しいときのケアには、口腔保湿ジェルがおすすめ

高齢になると唾液の分泌が減り、普段からお口の中が乾燥しやすくなります。それに加え、災害時は水分摂取量の減少などから、普段よりも口腔内の乾燥が強くなることが懸念されます。乾燥した状態で口腔ケアをすると、口が開きにくかったり、痛みがあったりして、介護を受ける方が歯みがき自体をいやがることもあります。乾燥している口腔内をケアするときには、うるおいを与える口腔保湿ジェルの使用をおすすめします。

口腔保湿ジェルの一つに、雪印ビーンスターク株式会社の「リフレケア」があります。

リフレケアは、有効成分としてヒノキチオールを配合しており、口臭の防止・歯周病(歯周炎、歯肉炎)の予防・虫歯を防ぐ・口内を浄化する・口内を爽快にするなどの効能効果があります。研磨剤や発泡剤を配合していません。のびのよいジェルはブラッシングも容易で、先ほどご紹介した口腔内のマッサージにも利用できます。

リフレケアの効果的な使い方

出典:雪印ビーンスターク株式会社
 リフレケア®シリーズ 商品紹介

お口の中の歯の様子や汚れ、乾燥具合などをよく観察しましょう。水などでお口の中を十分にうるおわせ、汚れをやわらかくしてから磨くとより効果的です。磨いた後は、うがいをして汚れを洗い流します。うがいが難しい場合は、拭き取るとよいでしょう。拭き取りには「リフレケアW」などの口腔清拭シートを使うことをおすすめします。

最後に、入れ歯の紛失・破損、歯の痛みなどで食べることに困っている方は、歯科医師などに相談しましょう。

まとめ

予期しない災害が発生した際、被災者は避難所などでの生活を余儀なくされることがあります。避難所での生活が長引くと、集団生活のストレスや栄養不足による体力低下、お口の清潔を保ちにくいなどの理由で、歯周病・口内炎といったトラブルが増えます。また、特にお年寄りや要介護者では誤嚥性肺炎等の呼吸器感染を引き起こすこともありえます。災害で水の調達がままならない状況にあるときでも、「口腔清拭シート」「マウスウォッシュ」「口腔保湿ジェル」などを活用してお口の中を清潔に保ってくださいね。

記事協力:四国歯科衛生士学院専門学校 船奥律子先生

参考:一般社団法人日本歯学系学会協議会「災害時の口腔健康管理」

参考:厚生労働省「被災地での健康を守るために」

参考:雪印ビーンスターク株式会社

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