水分は“生きるチカラ”にとって大切。 無理なくできる水分補給テクニックを試してみよう!

実は高齢者は、「自分で喉の渇きが感じにくい」「トイレの回数が増える」などの理由で水分の摂取量が減り、気づかぬうちに脱水状態になってしまうことがあります。

私たちは体重の約60%が水分で占められ、その多くは細胞の中に貯えられ体温調節や栄養素の運搬など生きるために必要な役割を担っています。

このように重要な役割を持っている水分が不足しないよう、どう工夫すればよいかを一緒に考えてみましょう。

水分の役割を知ろう。貯蔵は筋肉へ。

水分は食事や飲料としてとり入れられた後、体外に出る場合は、尿、便、呼吸、汗となって排出されます。さらには皮膚の表面で蒸発して失われます。

一方で、血液をはじめ体内のあらゆるところに分布している水分は筋肉内に多く貯えられますが、高齢者の場合は低栄養やサルコペニア(加齢により筋肉量が減少、筋力低下することをいいます)などにより筋肉量が減少するため、いつの間にか貯えるべき水分量が少ない状態で生活していることがあります。そうして、気づかないうちに脱水状態になってしまうことがあるのです。

無理なくできる水分補給テク

1.必要な水分摂取量と「タイミング補給」のススメ

飲料として1日に必要な水分量は1500mlと言われています。しかし、高齢者にとって1500mlの水分量は「そんなに飲むの?」という声が聞こえてきそうですね。

例えば、飲料としての水やお茶以外にも味噌汁やスープなど料理に使用する水分量もプラスして考えてみてはいかがでしょう?味噌汁ですと1杯約150mlの水分をとることができます。(塩分のとり過ぎにはご注意ください)

また、水分摂取のタイミングは、コップ1杯程度を約200mlとすると起床時、朝食・昼食・夕食、入浴後、寝る前など1日に6~8回、それぞれの「タイミングに合わせて補給」する習慣をつけておくと水分不足を防ぐことができます。

もちろん、喉が渇いたとき、その他には、運動の後、帰宅時、薬を飲むときなどに補給する機会があれば、自然と1日の水分摂取の目標量をとることができ、「飲まなきゃいけない」という気持ちの負担が軽減します。

2.水分補給テクニック

1日の摂取量の目安を把握するために500mlくらいの自分専用ペットボトル数本を料理とは別に用意しておき、順次飲み干していくことをおすすめしています。毎回、計量しなくても目安として1日どれくらい飲んだのかわかりやすい方法です。

飲みやすいジュースやスポーツ飲料など糖分を含むものは避け、喉が渇く前にタイミングをみながら補給しましょう。

暑い日などは、お茶を少量のゼラチンと混ぜ合わせて冷やしておくと、喉の奥までスルスルと流れるように飲むことができます。

まとめ

水分は、喉の渇きなどが感じにくいと、つい飲み忘れてしまいます。「こまめな水分補給」が大事なのは、「喉が渇いてから」では間に合わないかもしれません。水分補給は命にかかわっており、栄養補給と同じくらいに重要なのです。

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