認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことです。今回は、そのような認知症を予防するために、すぐできる3つのトレーニングをご紹介します。
いつからはじめる?認知症予防
認知症なんてまだまだ先のこと・・・なんて考えていませんか?なんと認知症は、発症までに20年ほどかかるといわれています。厚生労働省は2025年には「65歳以上の5人に1人」が認知症になっていると発表しています。となると、40代あたりからの認知症予防がとても重要になってくるのです。
第一のトレーニング「脳トレ」
脳が働くにはたくさんのエネルギーが必要です。そのため、脳が働いているときには、たくさん血液が脳に流れます。たくさん血液が流れることで、脳の機能低下を防ぎ、若々しさを保つことが出来ます。今回は、すぐできる簡単な脳トレをご紹介しましょう。
- パズル
トロント大学で行われた研究で、認知症予防には「パズルが効果あり」とされました。1回行ったから良くなるというものではなく、継続的に行うことが大切です。 - 読み書きをする
新聞の短いコラムや文章を書き写すなど、何かを見ながら書くことや、声に出して読むことは脳の刺激になります。また、日記を毎日書くのもおすすめです。 - 麻雀 囲碁 将棋 オセロ
相手の手の裏を読んだりするゲームは、高度な認知機能が必要ですので脳が刺激されます。楽しく行うということが、脳の活性化につながります。 - 他人とのコミュニケーションを図る
他人を気遣うことや、他人と話をするということは脳の良い刺激になります。上手く他人とコミュニケーションをとることが、一番身近な認知症予防対策になります。
第二のトレーニング「筋トレ」
脳の中には記憶を司っている「海馬」という部分があります。この海馬は65歳を超えると1年で約1%委縮し、その機能が減少していくと言われています。しかし、筋トレを行うことで血流が促進され、海馬内の神経細胞が新しく作られ、かつ海馬が大きくなったというデータがあります。
筋トレによって脳の伝達機能もトレーニングでき、海馬内の神経細胞が新しくなることで認知症予防につなげることができます。では、どんな筋トレが認知症予防に効果的なのでしょうか?
大腿四頭筋トレーニング
①背もたれがある椅子に腰かけ、右足を前に出しながらゆっくりと膝を伸ばします。
②伸ばした膝をゆっくりと元に戻します。
③今度は左足を前に出しながらゆっくりと膝を伸ばします。
④伸ばした膝をゆっくりもとに戻します。
これを10回1セットとして、3セット行いましょう。
※ポイント
「どこの筋肉を動かしているか」ということに集中することで、脳からの神経伝達がスムーズになります。また、呼吸をしながら鍛えることで脳にも筋肉にも酸素を送ることができ、より効果が高まります。
第三のトレーニング「有酸素運動」
一般的に知られている有酸素運動の効果は、体脂肪燃焼によるダイエット効果ですが、実はそれだけではありません。血流を促進することによって、脳の機能向上、目の健康維持、心疾患予防、うつ病予防にも効果を発揮することが分かっています。
認知症予防に行う有酸素運動は、まずは1日10分程度の時間で気分転換になりそうな軽いものからはじめましょう。
おすすめ有酸素運動 ウォーキング
ウォーキングを行うのもたった1人で行うのではなく、できれば家族や友達と会話をしながら歩くことが有効です。会話をすると、その分負荷がかかり、酸素を多く身体に取り入れることができるからです。
また、外に出て歩くことで、周りの景色が変化し、それに合せて目から入ってくる情報を判断するために脳が働くという効果も見込めます。
まとめ
現時点では残念ながら「こうすれば認知症にならない」という絶対的な解決方法はありません。しかし最近の研究から「どうすれば認知症になりにくいか」ということが少しずつわかってきました。認知症を予防する対策として今回ご紹介した簡単なトレーニングを長く続けていくことで、認知症を発症せずに過ごせたり、認知症になる時期を遅らせたりできる可能性が高まります。みなさんも、認知症にならないために今日からトレーニングをはじめてみませんか?
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認知症ねっと