これからの日本の介護を考える上で、介護人材の確保は重要な課題となっています。需要はとても高く、有効求人倍率も他業種と比較して高いにもかかわらず、常に人材不足である状態は変わっていません。介護の現場で働く方々の就業環境はどのような状態なのでしょうか?データで確認してみましょう。
データで見る介護の現在・過去・未来 その1「高齢化社会」
データで見る介護の現在・過去・未来 その2「高齢者の家族と世帯」
データで見る介護の現在・過去・未来 その3「高齢者の介護」
データで見る介護の現在・過去・未来 その4「地域別に見た人口」
データで見る介護の現在・過去・未来 その5「高齢者の生活環境」
データで見る介護の現在・過去・未来 その6「介護人材の需給バランス」
データで見る介護の現在・過去・未来 その7「介護職員の就業環境」
介護職員が不足するのは採用が困難だからと答えた人の割合「72%」
図1 介護職員の過不足感および職員が不足している理由
「介護現場の職員数に過不足感を感じるかどうか」について、介護職員の57%、訪問介護員の75%が不足を感じているようです。
「介護職員が不足しているのは、採用が困難である」と答える方が72%と最も多い回答でした。需要はあるものの、いくつかの原因により採用が難しくなっている現状が考えられます。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「平成26年度介護労働実態調査」)
採用が困難なのは、賃金の低さであると答えた人の割合「61%」
図2 介護職員の採用が困難な主な理由
では、採用が困難な理由はどんなところにあるのでしょうか?主な理由として、以下の3つが挙げられます。
介護職員の就業環境の厳しさが、人材確保の高いハードルとなっていることが伺えます。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「平成26年度介護労働実態調査」)
介護職員が労働条件の不満で人手不足をあげた割合「48%」
図3 介護職員の労働条件上の不満
介護職員が労働条件上で不満に感じていることとはどんなことでしょうか?
データ上で上位に挙がった3つをご紹介します。
人手不足が介護の現場で働く人にさらに負荷をかけ、その不満が解決されず、さらに人手不足を招くという負のスパイラルが続いている状況です。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「平成26年度介護労働実態調査」)
事業所規模が大きくなるほど離職率は低くなる
図4事業所規模別に見た離職率
事業所規模別の離職率を比較すると、訪問介護員(正規職員)、介護職員(正規職員)とも事業所規模が大きくなるほど離職率は低下しています。
一方で、訪問介護員(非正規職員)、介護職員(非正規職員)においても、事業所規模が大きくなるほど離職率は低下傾向にありますが、正規職員ほどは低くなく、さらに厳しい環境が伺えます。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「平成26年度介護労働実態調査」)
データで見る介護の現在・過去・未来 その1「高齢化社会」
データで見る介護の現在・過去・未来 その2「高齢者の家族と世帯」
データで見る介護の現在・過去・未来 その3「高齢者の介護」
データで見る介護の現在・過去・未来 その4「地域別に見た人口」
データで見る介護の現在・過去・未来 その5「高齢者の生活環境」
データで見る介護の現在・過去・未来 その6「介護人材の需給バランス」
データで見る介護の現在・過去・未来 その7「介護職員の就業環境」
まとめ
介護職員の就業環境は、人手不足による不満要因が高く、人手不足のため、さらに採用が困難になっていくという負の連鎖が続いています。
大規模の事業所では、離職率が緩和されるものの、正規職員に比べて非正規職員は離職率が高く、環境の厳しさが伺えます。
また、小規模の事業所では、採用の困難がさらなる人手不足を招き、離職につながり、さらに採用困難になるという負のスパイラルとなっています。労働環境の改善が急がれます。