認知症は一般的には高齢者に多い病気ですが、65歳未満に認知症を発症した場合に「若年性認知症」といいます。その原因疾患によって支援の方向性も多少異なります。
若年性認知症は、働き盛りの世代にも起こり、若年性認知症の親を持つ子どもたちは、進学、就学、就職、結婚、子育てなどに影響を受けることがあります。ご本人だけでなくご家族の生活への影響が高齢者に比べて大きいため、早期発見・早期対応が必要となります。
若年性認知症の課題に、社会の目が向けられてきたのは最近のことで、企業や医療・介護の現場でもまだ認識が不足していて、医療機関への受診や診断が遅れてしまったり、必要とされる支援につながるまでに時間がかかったりするといった課題があると言われています。
今回は、若年性認知症のご本人やご家族の話を聴き、不安を受け止め、何ができるのか、いま何が必要か、いっしょに考えられる、そんなつどい場をご紹介します。
本人や家族が集まる場所の必要性
認知症を発症すると、仕事や社会生活をやめて自分に自信がなくなることもあります。そのため、家に引きこもるなど、外出する機会が少なくなります。
認知症のことを理解してくれる仲間がいるところでは、ご本人も安心して話をすることができます。何よりも、同じ悩みを持っている人同士で語り合えることで、勇気が出たり、前向きになれることもあります。
本人を支える家族は、『どうして私だけ……』『これからどうなるの?……』と、不安や悩みでいっぱいになります。そんな思いを持っている家族同士が話し合うことで、生活上の工夫を教えてもらったり、経験者の助言をもらったり、『私だけじゃない!』という気持ちが持てるようになります。
代表 白草広江さんからのメッセージ
岸和田まあるい会は、若年性認知症の本人や家族が気軽に集い、交流を図ることで、日頃から抱えている悩みや不安を少しでも解消し、ホッとするひと時を過ごせる場です。
本人・家族・支援者が、ともに支えあい、協力しながら作っています。会に参加していただけるボランティアも募集中です。
ご本人が楽しめる場、家族が悩みを話し合える場として定期的に岸和田市内で会を開いています。ぜひ一度参加してみませんか?
岸和田まあるい会の活動内容
全員で集まった後、本人交流会と家族交流会に分かれて活動しています。
本人交流会
サポーターが企画するレクリエーションに参加したり、カラオケや岸和田近郊を散策したり時には本人同士で病気の事を語り合ったりしています。
家族交流会
家族同士が集まり、近況報告や情報交換などをしています。薬のこと・食事のこと・利用できる制度や介護保険サービスの使い方などいろんな話ができます。
開催日時のお知らせ
開催日:奇数月の第3土曜日(1・3・5・7・9・11月)
時 間:13:00~15:00
会 場:岸和田市立福祉総合センター 岸和田市野田町1丁目5番5号
参加費:100円
会場への行き方
南海電車 岸和田駅 徒歩5分
おわりに
おむつフィッターとしても活動している代表の白草さん。ご希望があれば、大人用おむつの選び方や使い方も教えてくださいます。白草さんはゆっくりと落ち着いた口調でお話を聞いてくださるので、とても話しやすい印象を私は受けました。
白草さんとお話して、ご本人はもちろん、ご家族のケアもとても大切だということに気づかせていただきました。ご家族の気持ちにゆとりができたら、きっとご本人も素敵な笑顔が戻って来ると思います。
認知症の発症時期や症状、進行具合は一人ひとり異なります。また介護は、いつまでという期間がわからない、長い道のりです。その中で、ご本人もご家族もホッとするひと時を見つけて、バーンアウトしないようにしていきたいですね。
2021年6月現在、新型コロナの影響で、対面の活動は自粛されているとのことですが、状況が落ち着いたら活動を再開されるとお聞きしています。お近くにお住いの方は、ぜひ岸和田まあるい会に参加してみてくださいね!また、将来的にはオンライン家族会もお考えとのことです。
若年性認知症に関するお悩みや岸和田まあるい会についてご質問があれば、どうぞ白草さんまでメールでお問い合わせください。