【町づくり】超高齢社会にむけて始まった「大阪ええまちプロジェクト」

超高齢社会に突入した日本。大阪府の65歳以上の人口は26.1%(2015年)で、大阪の4人に1人以上が65歳以上です。大阪府では2015年から2025年までの10年間で、75歳以上の人口がおよそ46万人増加すると見込まれています。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年に向けて、住民主体の介護予防や生活支援の取り組みが、大阪のまちに広がっていくための取り組みが「大阪ええまちプロジェクト」。住民や地域の積極的な社会参加を促すことで、介護予防や生活支援を進める取り組みをご紹介します。

団塊の世代が後期高齢者になる2025年問題

2025年、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、医療や介護のニーズが急速に高まると同時に、少子化によって介護サービスの担い手が不足するといわれています。そこで求められているのが、身近な地域団体やNPOなどのさらなる活躍。市町村は地域の活動を応援する介護保険の新しい制度を活用することで、ご近所や、地域住民が助け合うような仕組みを育む必要があります。

大阪ええまちプロジェクトでは、大阪府内で活躍する地域団体・NPOの課題解決につながる、団体の運営基盤強化に役立つサポートを提供。そのサポートを担うのが、企業等で活躍するビジネスパーソンやクリエイターたち。彼らは自らの経験・スキルを活かして、ボランティアで地域団体やNPOを支援。情報発信や運営改善、事業戦略など、団体が抱える課題を解決し、運営を支える基盤強化に役立つような具体的な成果物を提供していきます。

65歳以上の人口の割合

生活支援や介護予防サービスの提供体制を構築する生活支援コーディネーター

まちをより良くするために地域で活動している方の存在に気づくことも、まだまだ少ないのが実情。「ええまち」をつくっていくためには、まず府内の各地で活躍する、団体のことを知ることが大切です。地域のためにどんな熱心な人がいて、どのような活動が繰り広げられているか。大阪ええまちプロジェクトでは、そうした地域の素晴らしい取り組みを、幅広く伝えていくことにも注力しています。

そこでプロジェクトが注目し、webサイトで紹介しているのが「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」。高齢者の生活援助・介護予防の基盤整備を推進していくことを目的とし、地域において、生活援助・介護予防サービスの提供体制の構築に向けたコーディネート機能を果たす人です。生活支援コーディネーターは中学校区単位で配置されているといいます。

▽コーディネーターの主な役割
・地域の高齢者が生活するのに、どんな困りごとがあるのか調査
・地域の介護予防活動や支えあい活動の状況、資源を調査
・地域住民同士の支え合い活動を推進
・生活支援のボランティアの育成
・行政や各種団体と連携し、ネットワークを構築

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住み慣れた場所で生き生きと暮らすため、私たちにできること。

いくつになっても、要介護状態になっても、住み慣れた場所で暮らしたい。そのために必要な「地域包括ケア」の仕組みは、「医療」「介護」「生活支援・介護予防」という三本柱から成り立つといわれています。
このうち「医療」「介護」は専門家の領域ですが、「生活支援・介護予防」は地域団体やNPO、企業などが関わることができる領域です。

大阪ええまちプロジェクトは、府内の「ええまち」の取り組みを伝えるだけでなく、実践できるところまでを応援。先行した取り組みを立ち上げた地域の課題解決方法など、他の地域にとっても参考になるようなノウハウを情報発信。いくつになっても元気で生き生きと暮らせるようなまちづくりを応援するプロジェクトに注目が集まっています。

大阪ええまちプロジェクト
●プロフィール【大阪ええまちプロジェクト】
被保険者一人当たり介護費、要介護認定率が全国一高い大阪府。2025年に向けていよいよ高齢化が加速する大阪府を、課題解決先進地域に。

大阪ええまちプロジェクト

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