【介護食宅配】高齢者向け食事宅配サービスの知っておきたいキホン

自分の両親が高齢になり、自炊することが難しくなってきたら、家族としてどのような支援ができるでしょうか?もちろん、代わりに買い物に行ったり、料理を作ったりできますが、そういったサポートが介護者にとって大きな負担になってしまう場合もありますよね。そんなときに活用できるサービスのひとつが、お弁当や料理を届けてもらえる「高齢者向けの食事宅配サービス」です。今回は「どんなサービス?」「食事の種類は?」「メリットは?」など気になるところを、実際に食事宅配サービスを利用した体験談もふまえてお伝えします。

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高齢者向け食事宅配サービスってなに?

調理した食事やお弁当を、自宅などに届けてくれる「高齢者向け食事宅配サービス」。最近では、栄養バランスを整えたヘルシーな「普通食(健康食やバランス食とも呼ばれます)」だけではなく、カロリーや塩分、糖質、たんぱく質などを抑えた「制限食」、噛む力や飲み込む力に合わせた「介護食(やわらか食、ムース食など)」など、様々な種類が選べるようになっています。食事宅配サービス業者によって、提供している内容が異なりますので、利用者に合わせた食事を選んでください。

冷凍、冷蔵、常温など様々な種類が選べる

食事内容もさることながら、冷凍、冷蔵、常温など届けられる時の食事の状態も様々なタイプから選ぶことができます。

冷凍タイプ

食事が冷凍された状態で届くタイプ。メリットは、保存しやすく、数日分をまとめて受け取ることができること。デメリットは、食べるときに電子レンジや湯せんで解凍する必要があること、そして冷凍庫に保存用のスペースが必要ということです。

冷蔵タイプ

クール便などで届けられるタイプ。メリットは、冷凍よりも温めやすく、おいしさが保たれやすいことや、冷蔵ボックスなどを利用して受け取る手間を省ける場合もあること。デメリットとしては、冷凍より傷みやすいことです。特に夏場は注意が必要です。

常温タイプ

受け取ってそのまま食べることができるタイプ。メリットとしては、電子レンジなどを使わずに食べられ、新鮮な味わいであること。デメリットとしては、やはり保存がきかないことと、直接受け取る必要があることです。

また、「弁当」のほか、ご飯などの主食が付いていない「惣菜」だけを届けてくれるサービスもあります。主菜・副菜を組み合わせたセットになっており、この場合、主食は自分でご飯やパン、麺など好みのものを用意することができます。

利用者、介護者それぞれの状況を充分に検討して、暮らしのスタイルに合うタイプを選んでみてください。

食事宅配サービス利用で得られる安心とは?

様々な種類から選ぶことができる便利な食事宅配サービス。実際、私も自分の母親のために活用したことがあるのですが、予想していないかった色々なメリットがありました。

当たり前ですが「食事を用意する負担が減らせる」ということ。そして、「栄養バランスに優れた食事を摂ってもらえること」です。これらはやはり大きなメリットです。

また、利用してみて気がついたのですが、家庭で作る料理にはバリエーションや味、盛り付けなどがどうしてもワンパターンになりますが、食事宅配サービスの場合、飽きがこないように多彩なメニューが用意されており、「定番メニューから季節メニューまで、様々な料理を楽しむことができること」もメリットのひとつです。

もうひとつのメリットが、安否確認をしてもらえる食事宅配サービス業者もあるということです。届ける際に、安否や状況を確認してくれるのですが、私の場合、母親が一人住まいだったので、おかげで余計な心配をしなくていいようになりました。

宅配サービスを上手に活用して、息抜きも必要

私自身もそうでしたが、食事宅配サービスを利用するのに抵抗がある方も多くいらっしゃると思います。たしかに、できることならそばにいて料理を作って一緒に食べてあげるのが一番です。しかし、それが介護者(介護する側)にとって時に大きな負担になってしまう場合があります。

食事宅配サービスを利用してみると、「冷凍でも意外とおいしい」、「毎日いろんな食事が届くので楽しい」といった発見もありますので、介護される方も、介護する方も豊かに生きることができるように、上手にサービスと付き合っていただきたいですね。

介護者の負担を減らせる人気の「高齢者向け食事宅配サービス」ですが、近年、業者ごとに多彩なサービスがあって便利な反面、様々な業者がありすぎて選ぶのが難しいという声をよく聞きます。

安易に選んでしまうと、様々な問題がでてきてしまいます。食事宅配サービス選びで大切な5つのポイントを、私が実際に体験した失敗談もふまえながらお伝えします。

食事宅配サービス選びに失敗しない5つのポイント

食事宅配サービスを選ぶときに真っ先に考えることは「おいしさ」や「量」、そして「料金」という方が多いと思います。たしかに、大前提として大事なことですよね。でも、そればっかり考えていると、大きな落とし穴にはまってしまうかもしれません。なぜなら、サービスを必要としている人(被介護者、介護者)の状況は、実に多様だからです。

被介護者が「できること」や「できないこと」、介護者が「やってほしいこと」や「やってもらいたくないこと」は、人によってそれぞれですよね。だからこそ、安易に選んでしまわないで、もう一歩踏み込んで宅配サービスの細かな部分まできちんと検討し、自分たちに合ったものを選ぶようにすることが肝心です。

この食事宅配サービスについて読んで頂きたい一番の理由は、私自身が宅配サービス選びに失敗したことがあるからなんです。契約がはじまってから気づく事がたくさんあり、深く考えないで決めてしまったことにすごく後悔しました。

私には、若年性アルツハイマー病の母がおり、当時は63歳で私の近所で一人暮らしをしていました。症状が進行するまでは、自分で自炊できていたのですが、段々、火の元の管理などが難しくなり、兄のお嫁さんがよくご飯を届けてくれていましたが、子育てをしながらは、なかなかハードな状況だったかと思います。

家族での話し合いで食事宅配サービスに申込みをする事にしました。ちょうど新聞の折り込みチラシが手元にあったので「お弁当もおいしそうだし、割引キャンペーンをやっているし、この業者に決めよう」と利用をはじめたのですが、フタを開けてみればトラブルの連続…。

のちに別の宅配サービス業者に変えることになります。そんな経験を元に、選ぶときに気をつけるべきポイントをご紹介します。

(参考記事)
【親が認知症になってしまった】認知症の受診を拒む方にやってはいけない対応とは?

【ポイント①】口コミをチェック

思い返せば、色々な宅配サービスを比較せず、チラシを見て安易に決めてしまったことが失敗のはじまりでした。選ぶときには、インターネットでも色々な宅配サービスを比較してみることが肝心ですね。検索すれば、宅配サービスごとの口コミを見て、リアルな情報を参考にすることができます。

ひとつの口コミ内容から、「こんな対応してくれるんだ」など、分かりにくい細かなところが見えたり、想像できたりしますので、選ぶときには、まず口コミをぜひチェックしてみてください。

ただし、なりすましの口コミもあるかもしれませんので注意が必要です。

【ポイント②】 最低契約期間や違約金をチェック

私の場合は、冷凍タイプの宅配弁当をお願いしていました。はじめは母が電子レンジで解凍できていたのですが、若年性アルツハイマー病は、症状の移り変わりが早く、徐々に一人で電子レンジを扱うことが難しくなってしまいました。

申込んだ宅配サービスは、常温タイプの食事を提供しておらず、かといって期間契約なので、サービスは続けるしかない…といった状況になりました。

現時点のことだけではなく、将来的に被介護者(介護する側)や介護者(介護される側)の状況がどうなっていくかを検討して、「契約期間中でも、内容を切り替えられる」、「解約金不要でいつでも解約してOK」などの条件も確認の上で、決める必要があります。

【ポイント③】 実際に届く食事をチェック

多くの食事宅配サービスは、試食サンプルを取り寄せて試食ができます。私も試食をした上で「これなら大丈夫だろう」ということで決めました。しかしのちのち発覚したことなのですが、試食したものと実際に届いたものがなんと随分違っていました。

試食した際は、きれいなお弁当器だったのですが、実際に届けられていたものはキズがひどく使い回した使用感が目立つものでした。さらに、盛り付けも「これでは食欲が出ないよな…」と思うほど、質素な盛り付けになっていました。

このような失敗をしないためにも、試食をしただけで安心せずに、実際に宅配されたお弁当も必ずチェックしていただきたいです。

試食のときのような食事を自分の親が食べているはず…と思い込んでいて、実は、まったく違う食事が届けられている。もしかしたらそんな人がたくさんいるのかもしれないと思うと、とても残念な気持ちになりました。

【ポイント④】 食事を届けてくれる人をチェック

私の場合、一番後悔したことが「お弁当を届けてくれる人は、どんな人なのか」ということを考えていなかったことでした。

始めて契約していた食事宅配サービスは、お弁当の器を玄関に置いておいて返却するシステムだったのですが、母親がうっかりそれを忘れてしまったことがありました。そのことで、母は、宅配スタッフにきつい口調でしかられてしまい、パニックになって泣きながら仕事中の私に電話をしてきたのです。(あとから分かったのですが、宅配の方は介護の知識のまったくない方でした)。高齢者向けのサービスなので、宅配スタッフは介護に理解のある人だろうと思っていましたが、それが落とし穴でした。

新しく宅配サービスを選ぶときには「安否確認サービス」があるかどうかを重要視して選びました。その結果、介護知識の豊富な方が「やまもとさ~ん」と声かけをしながら食事を配達してくれ、また必要な時は会話もしてくれ、何か変わったことがあればきちんと家族に連絡をしてくれるようになり、「介護に向き合う姿勢を持っている人に届けてもらう」、そして「その人と連絡を取り合える」ということの重要さに気づきました。些細な事ですが何よりも私たち家族が安心を得る事ができました。

【ポイント⑤】 「食べること」の大切さを考える

もうひとつ印象的だったのは、母が「お弁当が届いても、食べていいのかわからなくなった」ことでした。お腹が減っていて、目の前にお弁当が届いているけれど、食べることができない。そんなことが起こるとは想像すらしていませんでしたが、母はテーブルに置いたお弁当が何なのかがわからなくなり目の前にあるお弁当が食べることができず、私が母の家に向かう夜まで我慢していたのです。なんともショッキングな出来事でした。

兄弟で相談をし、ヘルパーさんに来てもらう時間を分割・調整して、お昼に一緒に食べてもらうことにしたのですが、あらためて気づいたことが「やっぱり、一緒に食べる人がいると、母がおいしそうに笑顔で食べる」ということです。

思えば、一人暮らしの母親が「食事を摂れる状況にする」ことだけにとらわれすぎて、「食べること」の大切さを考えられていませんでした。「食事宅配は週5日にして、週末は手作りのものを家族一緒に食べる」、「食事は宅配を利用するけれど、できるだけ誰かが一緒に食べるようにする」など、工夫すれば様々な方法があると思います。

食事宅配を検討する際には、利用者にとって「食べること」ってどういうことだろうと考えてみることが大切だと感じました。そうやって、想いをめぐらせば、自分たちの暮らしに合う方法が見つかりやすいように思います。

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「“食べること”を楽しむ」ための、宅配食でありますように。

食事宅配サービスを利用してみると、たしかに介護の負担が減って便利だし、栄養バランスに気を使わなくていいし、メリットはたくさんあります。でも、安易に決めてしまわずに、ちょっとだけ立ち止まってみてください。食事宅配サービス選びは、「食べることってなんだろう?」と考えるいい機会だと思います。

私は、自身の経験を通して「食べることは、生きること」という意味がよくわかったように思います。みなさんの食事宅配サービス選びが、「食べること=生きること」を楽しむ選択肢であるように願っています。