だれでも介護食レシピのベースとなる「八方地」の考え方。実はこの調理方法、覚えるレシピの数を減らしてくれるだけでなく、アレンジの幅も増やしてくれるんです。被介護者様にとってみても、味付けや料理のバリエーションが多い方が、毎日の生きがいや喜びに繋がるというもの。今回は、簡単なアレンジで料理の風味が変わる裏技をご紹介します!
「簡単につくれる」×「バリエーションが増える」
だれでも介護食のレシピは、今以上にもっと料理が上手になりたい方や、フードコーディネーターを目指すような方にとって役立つ情報ではありません。あくまでも、あまり料理経験がなく、調理をしなくてはならない状況になった方、急遽自宅介護が必要となった方に向けての情報としてまとめています。ですので、「簡単に作れるもの」しかあえて掲載していません。まずは、比率での調理を覚えてください。そして今回お話する「アレンジ方法」を覚えていただくだけで、かなりのバリエーションのおかず、副菜を作れるようになります。ぜひ、気軽にチャレンジしてみてください。
高野豆腐が簡単アレンジで3つの味に変化。
例えば、「高野豆腐」を取り上げてみます。高野豆腐を水で戻して(最近は戻さなくても作れるようになっているみたいです。購入されたパッケージに記載の作り方をご覧ください)、10(出汁):1(薄口しょうゆ):1(みりん)のお出汁で煮ていきます。ここまでは、全て同じ工程です。
●絹さや風味の高野豆腐
火を止めたあとに「絹さや」を入れると、絹さやの風味が出汁全体にいきわたった「絹さや風味の高野豆腐」に早変わりします。絹さやは、ビタミンCを多く含み、免疫作用を高めてカゼの予防にも効果的です。また、食物繊維も豊富なので便秘の解消に役立ちます。
●ベーコンを和えた高野豆腐
高野豆腐を炊いたところにベーコンを入れると、ベーコンの塩味やコクがお出汁に広がり、また違った高野豆腐になります。高野豆腐とベーコンというと意外な組み合わせに思われるかもしれませんが、美味しいのでぜひチャレンジしてみてください。
●鶏ミンチあんかけ高野豆腐
高野豆腐を炊いたところに、鶏ミンチを入れ、ゆずの皮をちらし、かるくとろみをつけても全く違った味わいに変化します。ゆずの香りがほのかに広がり、上品な味わいで食べやすい料理になります。
まとめ
こうした仕上げのバリエーションをいくつか知っておくと、一つの高野豆腐というおかずを数種類の副菜に変化させることができるのです。一週間前も高野豆腐だったけど、味わいが変化すれば、「いつも同じもの」という気持ちになりにくいと思います。とくに高野豆腐はタンパク質が豊富に含まれているので、介護食としてもおすすめの一品。これらのアレンジ方法を知っておくと何かと使えますよ。この様に、料理のレシピをひとつずつ覚えるのではなく、一つの料理をいくつものバリエーションに変化さることができれば、料理は意外と簡単なんです。ぜひ、アレンジ方法を覚えて、料理の幅を「手軽に」広げてみてくださいね。