料理のキホンだけど、初心者にはちょっとむずかしく感じるお出汁の世界。でも、実はお出汁の作り方はコツを覚えればとても簡単。しかも、お出汁のうま味成分を最大限に活用すると、減塩でも美味しい食事を作れるので、介護食にとって頼もしい味方になってくれます。
お出汁のキホン
お出汁は、【顆粒だしを溶かす】・【だしパックを煮出す】・【昆布・削り節(かつお節)などの素材から煮出す】の大きく分けて3つの方法で作ります。
お出汁は、和風料理をはじめさまざまな料理に使うことができる料理のキホンです。
特に素材から煮出す昆布と削り節を使用する方法は、3大うま味成分のうち、2つの成分、昆布に「グルタミン酸」、削り節には「イノシン酸」と呼ばれる成分が含まれているため組み合わさる事でうま味が飛躍的に強くなると言われています。時間に余裕があれば、この素材から煮出す方法がおすすめです。
今回は簡単なお出汁の作り方も含めてご紹介していきます。
「顆粒だし」を使う
顆粒だしは、水やお湯に溶かすだけで手軽にお出汁が作れます。近年、顆粒だしにも化学調味料無添加などの商品も多数販売されていますので、とても便利で美味しく出来上がります。しかし、顆粒だしの中には、食塩・糖分・化学調味料・その他の風味原料だけで出来ているものがあるので、食塩や糖分に制限のある方の場合は、成分表をよく読んでご使用ください。
「だしパック」でとる
お出汁は、昆布・削り節などが入ったパックを煮出してとることもできます。近年では、化学調味料無添加など天然の素材だけを使用した商品も多数販売していますので、自分に合ったものを選んでお出汁を作って下さい。
「かつお節と昆布」でとる
かつお節と昆布でとるお出汁は、お鍋や煮物、味噌汁などの料理にも使えます。また、2日ほどなら冷蔵庫で保存がききますので、多めに作っておいて保存しておくと便利です。
かつお節 20g
昆布 8cm角1枚
水 1000ml
①鍋に水と昆布を入れて火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
②そのまま沸騰させて火を止める(カルキ臭さと昆布の灰汁が飛ぶ)。火を止めたら水を入れて温度を80度に下げる。
③かつお節を、手でほぐしながら入れる。さらに水を加えて温度を下げてかつお節を沈める。
④3分たったら、ふきんまたはクッキングペーパーをかけたザルで静かにこしたら出来上がり。※絞らないのがコツ
お出汁のチカラで塩にたよらないおいしい介護食を
“お出汁のうま味”を活かし“食材の味”を引き出すことで、塩をたくさん入れなくても料理は美味しく仕上がります。なおかつ身体にも優しい減塩メニューが可能になります。これこそ、和食本来の持つ力です。
お出汁をうまく使えるようになれば、身近な方に介護が必要となっても、美味しい食事を提供してあげることが出来ますね。ぜひ、お出汁の作り方をマスターして、調味料に頼らない料理を覚えて頂けるとバリエーションも増えて、身体にも優しく。