介護のためのおむつのヒント

スキントラブルを起こさないためのポイント①尿とりパッドを重ねない

おむつ交換って、難しい!何に気をつけたらいいの?どうしたらもれないの?疑問はたくさんありますね。もれない為の対策としてよく聞く「重ね使い」についてお伝えしたいと思います。

「重ね使い」は、おむつを使用する方へどのような影響を与えているのでしょうか?スキントラブルを防ぐという視点から重ね使いについて考えていきましょう。

スキントラブルを起こさないためのポイントは重ねないこと

重ね使いの弊害をお伝えする前におむつの中のお肌の状態について考えてみましょう。おむつの中は布パンツ1枚を履いている場合より、非常に湿度の高い状態になっています。

湿度の高い状態にあるおむつ内の皮膚は、浸軟(ふやけた状態)した状態にあり、スキントラブルがおきやすくなっています。(浸軟の例:絆創膏をして水仕事をした後に絆創膏をはがすと皮膚は白くふやけていますが、それに近い状態です。)

重ね使いは逆効果!重ねても吸収量のアップにはなりません

重ね使いは、蒸れやすいおむつの中でふやけた肌にも負担をかけます。圧がかかることによる発赤や、おむつ交換の際の引き抜きによる皮膚のめくれなど、重ね使いが原因のスキントラブルは多く見受けられます。また重ねたパッドによって、股間部分が押し広げられた状態になり、自分の意志で足を閉じるのが難しくなり、自分の思うままに体を動かすことが難しくなります。

自分の思うままに動けないということは、褥瘡(床ずれ)にもつながります。私たちは無意識のうちに、ごそごそと動いているのです。また股間部分が押し広げられた状態では、そけい部にすき間が生じモレが発生する原因にもなりかねません。

重ね使いをせずに、その方にあう尿量のパッドを1枚使い、パッドとおむつを正しく装着してみましょう。モレの解決策として、重ね使いはついつい行ってしまいがちです。

スキントラブルの原因はご本人の肌の強さや、環境によって左右されることも多いですが、重ね使いが原因になっていることもあります。スキントラブルが発生してしまったときに、もし「重ね使い」をされているなら勇気をもって重ね使いを止めるのも解決策のひとつです。