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【医師監修】排泄の基礎知識(排尿編①):数字で見る排尿の基本

排泄の基礎知識

排尿とは、膀胱にたまった尿を排出することです。尿は腎臓でつくられ、尿には血液中の老廃物や多く摂りすぎた水分、塩分などが含まれます。

排尿の量や回数、時間などは、気温・気候などの影響や生活態度などの影響を受けやすく、当然個人差はありますが、排尿トラブルを考える上で目安となる数字は知っておくと便利です。
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排尿の回数や量など、まずは標準値を知ろう。

みなさんは、一日に何回トイレに行くのが標準なのかご存知ですか?標準的な尿量や排尿回数・時間などを把握しておくと、排尿トラブルを判断する際にひとつの指標になります。

数字で見る排尿のあれこれ

今回は排尿に関する基本データを、イメージしやすい数字でご紹介します。また、排尿には、排尿障害と呼ばれるいくつかの症状があります。では実際に、どんな症状があるのでしょうか?目安となる数字とともに解説します。

トイレ1回あたりの尿の量 ⇒ 約コップ1杯(150~250ml) 
一般に、膀胱に約150~250ml(高齢者は120~200ml)の尿がたまると「トイレに行きたい」と感じます。これを「初発尿意」といいます。「もうがまんできない」と感じた時の尿意を「最大尿意」といい、成人では約300~400mlたまるまでトイレをがまんすることができます。(糖尿病や認知症の方など、個人差があります。)

1日にトイレに行く回数 ⇒ 4~7回 
日中は4~7回、夜間は0~1回(高齢者は0~2回)だと正常範囲です。ただし、排尿回数は、気温の変化や発汗の状態、摂取した水分量、緊張などの精神状態によって変わります。日中8回以上・夜間1回以上だと頻尿(正常値より排尿回数が多いこと)といえます。

③1日の総排尿量 ⇒ 1000~1500ml
1日の総排尿量は、1000~1500ml。ただし、正常な場合でも、気温や水分摂取の状態、体調などで尿量は変化します。総排尿量の違いにより次のような呼び方があります。

尿閉(0ml)
膀胱に尿がたまっていても、排尿できない状態。前立腺肥大症や膀胱の収縮力の低下などが原因です。導尿すれば尿が出てきます。

無尿(100ml以下)
膀胱に尿がたまっていない状態。腎臓で尿がつくられていないか、両側の尿管が癌などの原因で閉塞して、膀胱まで尿が運ばれていない状態。導尿しても尿は出てきません。

乏尿(400ml以下)
1日の尿量が正常より著しく少ない状態をいいます。水分摂取量の不足や脱水症などのときにおこります。

多尿(2000ml以上)
1日の尿の量が正常より著しく多い状態をいいます。のどの渇きや多飲などを伴います。(水分の摂り過ぎが原因のこともあります)

1回の排尿にかかる時間 ⇒ (10~30秒)ゆっくり1から30まで数える
1回の排尿にかかる時間は10~30秒かかります。男女差や膀胱容量差があります。排尿量にもよりますが、40秒以上だと排尿困難の可能性があります。排尿困難の原因は、膀胱の収縮力の低下(神経因性膀胱など)、尿道狭窄、前立腺肥大症や前立腺癌など、便秘の影響もあります。

まとめ

排尿の量や回数には、目安となる標準的な数値があり、知っておくと排尿トラブルを考える上でとても便利です。「トイレ1回あたりの尿の量はコップ1杯」「1日の平均排尿回数は4~7回」「1日の総排尿量は1000~1500ml」「1回の排尿にかかる時間は10~30秒」。排尿のトラブルが考えられる場合は、これらの数値を参考にしてみましょう。

記事監修:医療法人 恵友会 恵友病院 泌尿器科医 小川隆敏先生