テープ止めタイプのおむつにパンツタイプを重ねて履いていませんか?もれの予防や夜間のみの重ね履き、おむつ内に手を入れるのを防ぐなど重ねばきの理由はそれぞれだと思いますが、果たして重ね履きはどのような影響があるのでしょうか?
重ね履きの弊害は?
重ね履きの弊害を考えてみましょう。パッドを使用したうえに、テープタイプのおむつとパンツタイプのおむつを重ねて履くということは、かなりの厚みになります。その状態で、眠れるでしょうか? 身動きがとれますか?足は閉じれますか?
おむつ内は湿度がとても高い状態です。重ね履きをすることでさらに湿度が高まります。湿度が高いとおむつ内のお肌が浸軟(しんなん/ふやけた状態)した状態になり、皮膚トラブル(例:赤味やかぶれ)が発生しやすくなります。
また仮におむつ内に手をいれるのを防ぐために、重ね履きをしているのであれば、まず何故おむつ内に手を入れられるのか考えてみましょう。かゆみが原因ならかゆみを軽減する対策が必要ですし、パッドが不快ならこまめに交換する。尿の逆戻りの少ないパッドを使用する等の対策が必要です。もしかしたら手を入れることで、安心されるのかもしれません。重ね履きが問題解決を遠ざけている可能性があります。
更に、重ねることで股間幅が広くなり、がに股のような歩き方になることで歩き方が制限され転倒のリスクも高まります。テープ止めタイプの上にパンツタイプを重ねるのは、スキントラブルの原因になる可能性が高く、なによりもご本人にとって快適な状況であるとは言えません。
おむつはその方にとって必要な生活道具です。少しでも快適に過ごしてもらえるよう、原理を知ったうえで工夫をしてはいかがでしょうか?
重ね使いは逆効果!例えばこんな感じ
すき間ができてモレが生じたり、外側の立体ギャザーがうまく働かずにあふれ出たりして、かえってモレがひどくなることが考えられます。重ねても、モレを防ぐことにはならないのです。さらに重ね使いは、ご本人のゴソゴソ動きを制限してしまい、圧力が一か所にかかりやすくなることから褥瘡(床ずれ)の原因にもなり、重ね使いの不快感が安眠阻害にもつながります。
肌に当たるおむつの裏についている防水シートを切って重ねても吸収量がプラスされることには、なりません。防水シートに切れ目を入れることで、吸収体の中身がこぼれてしまい肌に付着する可能性がありますので、重ねずにお使いください。