介護のためのおむつのヒント

おむつからのモレを防ぐ使い方 3つのコツ

適切なおむつを選んだとしても使い方によっておむつからのモレが発生してしまうことがあります。今回は、おむつからのモレに困ったときにまずやってみていただきたい3つのコツをご紹介します。

【目次】

1.おむつからのモレを防ぐ使い方 その1 『立体ギャザーを活かす』

2.おむつからのモレを防ぐ使い方 その2 『体にぴったり合うサイズを選ぶ』

3.おむつからのモレを防ぐ使い方 その3 『尿とりパッドの重ね使いをしない』

おむつからのモレを防ぐ使い方①立体ギャザーを活かす

おむつを使う際に大事な「立体ギャザー」をご存じでしょうか?

なんでもれるの?という悩みは、もしかしたら「立体ギャザー」を生かすことで解決できるかもしれません。立体ギャザーは、尿をブロックする役割をするとても頼もしいパーツです。おむつを使う時に立体ギャザーを生かさないなんて、もったいない!

立体ギャザーが立っているか確認しましょう

①尿とりパッドを開いた時に、立体ギャザーが立っていなければ、両端を持ちやさしくピンピンと引っ張ります。強く振ると吸収体が崩れてしまうので注意しましょう。

②立体ギャザーはそけい部(左右の太ももの付け根の部分)にやさしく沿わせます→そけい部に沿わせることにより、すき間を減らしモレを軽減します。

ほとんどのおむつについている立体ギャザーは、思った以上に良い仕事をしてくれます。ぜひ生かしてくださいね。

おむつからのモレを防ぐコツ②からだにぴったり合うサイズを選ぶ

おむつのサイズがぶかぶか・すきまができているとモレの原因になります。普段使用している下着もぶかぶかだとずれたり、違和感があって気持ち悪いですよね? おむつも下着と同じ、ジャストサイズが原則です。

モレは介護現場での悩みNo.1ですが、モレを防ごうと行う工夫は間違ってしまうこともしばしば。サイズが合わない→すき間ができる→すきまからのモレが発生!すき間からのモレを防ごうと何枚もパッドを重ね、さらに外側のおむつのサイズが大きくなっているというのもよくあることです。

それではかえってモレを誘発してしまいます。まずは、おむつのサイズがからだに合っているか、確認してみましょう!

からだのサイズと、おむつのサイズを確認しましょう

パンツ型とテープ止め(おむつタイプ)では合わせるポイントが違います。

パンツ型→ウェスト
テープ止め→ヒップ
*ちなみにメーカーによってサイズが少しずつ違います。パッケージでサイズ確認をしてくださいね。

合うか合わないか不安であれば、サンプルを取り寄せてお試ししてみてください。

リフレお客様相談室 0120-271-361
受付:月曜~金曜(祝日を除く)午前9時~午後5時】

パンツ型紙おむつで、ウェストで合わせると足回りがブカブカの場合は足まわりで合わせ、おなか周りに少し切り込みを入れる等の工夫をしてみるのも一つの方法です。また、パンツ型紙おむつも種類が増えています。パンツタイプが合わない場合、ボクサーブリーフのタイプも合わせてみてください。

外側のおむつのサイズを合わせることにより、モレが減る、ご本人も動きやすくなる、スキントラブルも軽減する、おむつの費用が下がる、と考えられる可能性とメリットはたくさんあります。外側のおむつは「大は小を兼ねる」ということはありません。モレへの解決策の1つとして取り組んでみてくださいね。

おむつからのモレを防ぐコツ③尿とりパッドの重ね使いをしない

おむつからのモレが発生した時、おむつからモレる場所を塞ぐということで問題を解決しがちです。ただその解決方法は、介護されるご本人にも、介護者にも負担がかかります。

モレの解決策のひとつとして尿とりパッドを重ねて使用しているなら、残念ながらそれは正解とは言えません。なぜなら、重ねることによるデメリットがたくさんあるからです。

重ね使いのデメリットを一つずつ見ていきましょう

【すきまができる】
重ねることにより、ずれたり、かえってすき間ができることでモレが発生していまいます。

【立体ギャザーが生かせない】
外側のおむつの立体ギャザーがうまく生かせずにあふれ出て、衣類までもぬれてしまいます。

【スキントラブルが発生する】
重ね使いは、蒸れやすいおむつの中でふやけた肌にも負担をかけます。圧がかかることによって発赤やおむつ交換の際の引き抜きによる皮膚のめくれなど、重ね使いが原因のスキントラブルは多く見受けられます。

また重ねたパッドによって、股間部分が押し広げられた状態になり、足を閉じるのが難しくなり、自分の思うままに体を動かすことが難しくなります。自分の思うままにゴソゴソ動きができないということは、スキントラブルにもつながります。私たちは無意識のうちに、ゴソゴソ動きをしているのです。また股間部分が押し広げられた状態では、そけい部にすき間が生じモレが発生する原因にもなりかねません。

【不快感が増す】
重ね使いはどのような状態か、想像してみましょう。もし可能であれば、一度体験してみてください。分厚い座布団の上に座っているような感覚です。分厚い座布団がお尻の下に重なった状態でぐっすり眠れるでしょうか?重ね使いは睡眠を阻害する原因にもなります。

【コストアップ】
重ねて使用することで、使用量が増えコストがアップします。

【ゴミの増加】
使用枚数が増えると、ゴミの量も増えてしまいます。

このように、パッドの重ね使いはデメリットの多い使用方法です。尿とりパッドは使用する時間の失禁量にあったものを1枚で使用しましょう。失禁量が多い場合は、おむつの立体ギャザーの中に収まる大きさで、吸収量の多い尿とりパッドを選びましょう。

まとめ

今回はおむつからのモレに困ったときにまずやってみていただきたい『立体ギャザーを活かす』『体にぴったり合うサイズを選ぶ』『尿とりパッドの重ね使いをしない』という3つのコツをご紹介しました。特に、尿とりパッドの重ね使いは百害あって一利なしです。適切な吸収量の尿とりパッド1枚でご使用ください。