介護のためのおむつのヒント

どうしておむつを当てている場所には褥瘡(床ズレ)ができやすいの?

「おむつをしてると、床ずれができやすい」と聞いたことはありませんか?本当におむつを使用している人は床ずれができやすいのでしょうか。おむつをとりまく環境や、骨格から、なぜおむつを使用している方は褥瘡ができやすいのかを考えていきましょう。

おむつの中は危険がいっぱい!

「おむつをしてると、床ずれができやすい」「寝たきりになると、床ずれができやすい」とは、よく聞きます。また、床ずれで悩んでおられる方もたくさんおられます。実際はどうなのでしょうか?実はおむつの中には褥瘡(床ずれ)のできやすい箇所がたくさんあり、床ずれができやすいというのは事実です。図を見てください。図の中の○で囲んでいる部分は褥瘡のできやすい箇所です。

ご自身の体を使って骨の位置を確認してみましょう。
・仙骨:お尻の真ん中に手を敷いてもらい、少し体を前にずらす
・坐骨結節:両手を横からお尻の下に入れて、足踏みをする
・大転子:足を伸ばして足首を左右に動かした時に動く部分。よく股関節と言っている部分。

体を触ってみて骨のでっぱりを感じられたでしょうか?このようにおむつ内には、褥瘡の発生しやすい部分がたくさんあります。だからこそ、おむつを正しく装着することが重要です。

ズレにも注意!

ズレの力も、おむつ内のお肌には要注意です。ズレはベッドのギャッジアップ、ダウンや姿勢の崩れでも生じます。ベッドの頭側を上げる場合には、フレームが曲がる場所(大転子の部分)が一致していることを確認し、ギャッジアップしていきます。ギャッジアップ後は必ず圧抜きを行いましょう。

除圧の方法

要介護者の背中を支えて衣類のシワを直す方法とマットレスを押す方法があります。お尻部分の圧のかかっている場所に手のひらを通したり、お尻周りの布団を押すことで除圧できます。かかとは一度持ち上げて下ろしましょう。除圧をすることにより、一箇所に集中した圧を分散することができます。