介護のためのおむつのヒント

【開発者ストーリー】大人用紙おむつの表面をお肌の状態に近づけたい!

大人用紙おむつとふつうの下着の違いとたずねられると「尿をたっぷり吸収する」と「尿をほとんど吸収しない」・「洗って使えない」と「何度も洗って使える」そして1枚あたりの値段を比べると「安い」と「高い」などが、挙げられると思います。

その中で、尿を吸収する前だと紙おむつとふつうの下着では大きな機能の違いを感じませんが、ふつうの下着にはない「尿を吸収すること」で紙おむつの中では何が起こっているのでしょうか。

 

お客様が大人用紙おむつに求めていること

大人用紙おむつをお使いの方々に、紙おむつを選ぶ場合に重要と考えていることを調べると「おむつかぶれしないこと」、「肌が赤くならないこと」、「ムレないこと」、「通気性がある」、「モレないこと」などが挙げられました。

それらをまとめると、紙おむつの交換までの時間が長くても【不快と感じたくないこと】が求められていることが重要と考えられていることが判りました。

素肌と近いpHに少しでも近づけたい

※pH値とは、酸性0~アルカリ性14の度合を0~14までの数字で示したものです。
中間のpH7を中性、それより大きい値をアルカリ性、小さい値を酸性といいます。

健康時の尿は基本的には無菌状態でpH6ぐらい、素肌はpH4.5~6.0といわれていいます。これに対して尿を吸収したあとの紙おむつの中では何がおこっているのでしょうか。
排尿時に尿は皮膚上などに存在する雑菌が混ざります。そのあと雑菌による尿の分解がはじまりアルカリ性(pH上昇)に進むため肌トラブルを引き起こしやすくなり、これらは不快感につながってしまいます。
このpHの上昇を抑えるため、あらかじめ紙おむつにそのような薬剤(中和剤)を加えておくことは技術的にはできるのですが他の刺激性の問題を生じさせてしまうため、各メーカーは、なるべく早めのおむつ交換をお奨めしているのです。
そのような排尿後の紙おむつの中で、せめて素肌と接する部分だけでも素肌に近いpH(弱酸性)に近づけることができないかという視点で開発に着手しました。

薬剤を流れ落とさない

紙おむつの素肌に接する部分に弱酸性をもたせる薬剤を使う技術は、正直なところ以前からありました。しかしながら、水に溶けやすい性質から排尿後に流れ落ちてしまい、せっかくの薬剤が素肌側に残りにくいという不具合がつきものでした。この問題点に対して、当社は素肌と長時間接する夜用の尿パッドでも流れ落ちにくい弱酸性付与剤を探し始めました。

コラボレーション

使えそうな弱酸性付与剤を幾つか見つかりましたが実験室では使えても紙おむつの加工に向かないものや商品の価格に響くような高価なものもありました。

紙おむつは、毎日使われるので性能が良くても価格が上がるようでは受け入れてもらえない商材のため、これらの薬剤の中からコスト的にも採用できそうな1社を選んで共同開発をスタートさせました。その間に、学会で研究データを報告したりしながら足かけ3年をかけて実用化にこぎつけました。

商品化できたときの気持ち、そして大人用紙おむつ利用者に対する想い

商品として生産をはじめる瞬間はいつも同じ気持ちで、共同開発を進めてきた社外の方々の助けもお借りしながら失敗を重ねて出来上がった商品がお客様に本当に受け入れられるかどうかとても不安な気持ちになります。先行して弱酸性機能つきの2つの商品はおかげさまで好評のようで自信を持ってその他の商品へも展開していきたいと思っています。
今後もお客様に喜ばれる商品の実現を目指した研究開発を進めてまいります。