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【医師監修】排泄の基礎知識(排尿編④):トラブル予防の体操・訓練 [骨盤底筋体操と膀胱訓練]

排尿トラブルの中には、簡単な体操やちょっとした心がけで症状を抑えたり予防できたりするものもあります。排尿トラブルが心配な方は、毎日少しずつチャレンジしてみましょう。骨盤底筋は、尿道や肛門を締める役割を果たしているため、この筋肉を強くすると腹圧性尿失禁などの予防になります。健康な方は、多少おしっこを我慢しても大丈夫です。ガマンの時間を少しずつ伸ばす訓練をしてみましょう。

●【医師監修】排泄の基礎知識(排尿編①):数字で見る排尿の基本
●【医師監修】排泄の基礎知識(排尿編②):排尿トラブル解決のために知っておきたい「排尿のメカニズム」と「男女の違い」
●【医師監修】排泄の基礎知識(排尿編③):排尿障害のタイプと対策
●【医師監修】排泄の基礎知識(排尿編④):トラブル予防の体操・訓練[骨盤底筋体操と膀胱訓練]

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骨盤底筋の強化は、排尿トラブルでお困りの方におすすめ!

骨盤底筋の強化は、トイレの回数が多い、我慢できないでモレる、咳、くしゃみ、運動時にモレるなど、腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁の方、また出産後の女性や、老化で筋力の衰えを感じている方におすすめのトレーニングです。では、具体的にどんなトレーニング方法があるのでしょうか?

「骨盤底筋体操」にチャレンジしてみよう!

今回ご紹介するのは、「骨盤底筋体操」という体操です。排泄に関わる筋肉を鍛え、排泄コントロールをスムーズに行うのが目的です。基本的には、座った状態で体操を行いますが、仰向けに寝た状態や立った状態でも行えます。

座ったままで(基本)
1.足を肩幅に開いて床につけ、イスに座る。
2.背中はまっすぐに、顔を上げる。
3.お腹に力が入らないように気を付けながら、男性は肛門を、女性は肛門と膣を締める。
(からだの中に引っ張りあげる感覚で)
4.そのまま、ゆっくり5つ数える。途中で力が抜けたら締めなおし、何回も繰り返す。

仰向けで
1.あおむけに寝て足を肩幅に開く。
2.ひざを少し立て、からだの力を抜いて男性は肛門を、女性は肛門と膣を締める。
(からだの中に引っ張りあげる感覚で)
3.そのまま、ゆっくり5つ数える。途中で力が抜けたら締めなおし、何回も繰り返す。

立った姿勢で
1.手と足を肩幅に開く。
2.体重を腕にかけてテーブルにもたれる。
3.背中はまっすぐ、顔は上げ、肩・お腹の力を抜く。
4.男性は肛門を、女性は肛門と膣を締める。(からだの中に引っ張りあげる感覚で)
5.そのまま、ゆっくり5つ数える。途中で力が抜けたら締めなおし、何回も繰り返す。

ちょっとした時間でできる体操です。体操の方法が分かりにくい場合は、体操の指導をしていただける施設に相談することをおすすめします。毎日の継続で排尿トラブルをしっかりと予防しましょう。

膀胱訓練は、頻尿の方などにおすすめ!

できるだけ排尿を我慢することで膀胱に溜めることのできる尿量を増やすトレーニングを、「膀胱訓練」と呼びます。トイレが近い、回数が多い、我慢できないでモレるなど、切迫性尿失禁の方、頻尿傾向の方におすすめです。これらのお悩みをお持ちの方は、少しでも症状を改善するために、ぜひトライしてみましょう。

膀胱訓練のポイント

排尿記録をつけて、排尿パターンをつかむ
まずは自分の排尿パターン(間隔、量)を知りましょう。排尿チャートを使うとわかりやすいです。

参考記事
●「排尿記録表」は排尿トラブル解決の第一歩!

少しずつ排尿間隔を長くする
自分のおおよその排尿間隔がわかったら、1週間単位でトイレに行く間隔を伸ばしていきます。例えば、通常1時間に1回トイレに行く方は、「1時間15分に1回トイレに行く」ようにします。1週間後は、「1時間30分に1回トイレに行く」ようにする、といった具合です。

膀胱訓練は、1ヵ月半~3ヶ月程度で効果が出るのが一般的です。それでも症状が改善されない場合は訓練方法の見直しや停止、泌尿器科の受診をおすすめします。

まとめ

腹圧性尿失禁などの排尿トラブルは、ちょっとした体操や心がけで、症状を抑えたり予防できたりします。排尿トラブルを予防するためには、骨盤底筋を鍛えることが大切です。「骨盤底筋体操」は、座った状態や立った状態でもできる体操なので、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。

頻尿などのトレーニングに、「膀胱訓練」というものがあります。膀胱訓練は、できるだけ排尿を我慢することで膀胱に溜められる尿量を増やし、トイレの回数を減らしたり、切迫性失禁症を改善したりするトレーニングです。膀胱訓練のポイントは、「①排尿記録をつけて自分の排尿パターンをつかむ」「②1週間単位で少しずつ排尿間隔を長くする」の2ステップで行いましょう。一般的には、1ヵ月半から3ヵ月程度で効果が出ると言われています。

記事監修:医療法人 恵友会 恵友病院 泌尿器科医 小川隆敏先生