腰痛のお話 その2 『腰はどこから曲がる?』

 

私たちは普段、身体をそれほど意識して動かしていません。ましてや、どの関節がどのように動いているかなんて、スポーツを専門的に行っている人以外は、それほど気にしていないでしょう。「何となくこの辺が動いているんだろうな」と思っていることが、意外と思い込みで実際は違うこともあります。また、身体の間違った動き方がいろいろな弊害をもたらすこともあります。今回は、腰の動きにフォーカスし、自分の感覚と実際の動きを比べてみましょう。

腰痛のお話 その1 『腰痛は人類すべての悩みです』
腰痛のお話 その2 『腰はどこから曲がる?』
腰痛のお話 その3 『腰痛を予防する動き方』

腰はどこから曲がるのか?

目を閉じて立った状態で、自分の腰が曲がる部位はどこかイメージしてみてください。ウェストライン?おへそ?腰骨あたり?みなさんどの辺りをイメージしましたか?多くの人がおへそ付近をイメージするようです。それではイメージした付近の骨格を見てみましょう。

腰部の骨格を知る

KT2-2

上図を見てみましょう。左は人間の全身の骨格図です。赤丸の部分を拡大したのが右の図です。背骨の腰の部分が腰椎と呼ばれる部分で、腰椎は仙骨に連結し、仙骨は腸骨に連結しています。この連結した部分を関節と呼び、腰椎と仙骨の連結部分をそれぞれの骨の頭文字をとって腰仙関節、仙骨と腸骨の連結部分を仙腸関節といいます。右図の青丸で囲んだあたりが、腰が曲がるとイメージされた部分です。これら腰部の関節は周りが強い靭帯で覆われており、わずかしか動きがとれません。少なくともこの関節の動きで前屈姿勢をとることは物理的に不可能です。では、なぜ私たちは腰を曲げることができるのでしょう?

腰が曲がるのは股関節の働きによる

KT2-3

では実際に立った状態から腰を前に曲げてみてください。自分の腰が前に曲がっているのは、上図の「赤線部分から曲がっている」ということが実感できると思います。つまり腰を曲げることができるのは、股関節を前に折りたたむような動きのおかげなのです。それでは、今度は股関節(足の付け根)から身体が折れ曲がることを意識して前屈してみましょう。さっきより深く前屈できるようになりませんか?たったこれだけの意識により、前屈で床に手がつかなかった人がべったりと手がつくようになることもあります。これで正しい腰の曲げ方を学習したことになるのです。

股関節を意識した腰の動きを心掛ける

股関節を意識すると、腰の動きが股関節の動きによって生み出されていることがわかります。「腰を回す」とは「股関節を片方ずつ折りたたむ」ことでもあると実感できます。もともと可動域の少ない腰部の関節に負荷をかけることが、腰痛の原因となることが多いようです。しっかりと動かすべき部位を動かすことで、他の部位に大きな負荷をかけることを防止できるのです。

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まとめ

私たちの腰の曲がる位置のイメージは実際と異なっており、腰部の骨をつなぐ関節部分はほとんど動きません。腰の動きを主導しているのは股関節です。股関節の動きを意識することで、腰部の余計な負荷を減らすことができます。

 

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